コロナウィルスをチャンスに活かすために
猛威を振るう、コロナウィルス。
2020年4月3日現在、世界を震撼させ、ここ日本でもロックダウン(都市封鎖)が現実味を帯びてきています。
コロナウィルスは、人体に限らず、経済にも致命的な影響を及ぼしています。出口が見えず、終わりが見えない点においてはリーマンショックを超えるとも言われています。
医療関係者ではない私にできることは、不要不急の外出を避けるなど個人的な行動レベルしかありません。しかし、縁あって、中小企業の支援を行っている私にしか出来ないことがあると考え、これまで通り、情報発信を行うつもりです。
そこで今回は2つの内容について記します。
政府の事業支援を積極的に活用してください
利用できるものは最大限に利用しましょう
政府は、一世帯あたり2枚のマスク配布を実施することを決め、今後はコロナウィルスの影響により収入減の世帯を対象に自己申告制で現金20万円の給付を行う方針です。(4/3現在)
そして、事業者に対しても、無利子・無担保の融資を行い、支援することを決めています。
詳細:https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf
コロナウィルスの影響を証明するなど、必要な作業はいくつかあるようですが、利用しない手はありません。もちろん、今後は返済が求められる上に、大きな金額を申請した場合には時間がかかるため注意が必要です。
コロナウィルスをチャンスに捉える
学びを得なければ割に合わない
今回の騒動で、人命の大切さはもちろん、お金の有難みを改めて認識できる機会でもあります。
私は職業柄、お客様と税金について話をする機会が多くあります。そこで強く感じるのは、税金アレルギーを持っている方が実に多い事です。
税金アレルギーには、2つの意味を込めています。
① 税金を必要以上に難しく考えてしまうこと
税法は複雑難解だからこそ、専門家である税理士に依頼するわけです。しかし、税理士が顧問先に対して、十分な税金に関する提案を行っているのか? ここは疑問符が浮かぶ事例が少なくありません。
「顧問税理士がいれば、とりあえず安心!」は幻想であり、頼れる税理士に依頼しなければ十分なメリットを得られないのです。ですから、ここも面倒だから、とか、安い税理士で十分と考えるのは非常に勿体ありません。
そして、私が推奨する税理士活用法なら、税理士に税金の面だけではなく、お金の流れも一緒に見てもらえるような仕組みを導入するため、経営が苦しい状況になる前に手を打つこともできます。
もし頼れる税理士を持っていたのなら、このような事態でも積極的にサポートしてくれるのですから、非常に心強いのではないでしょうか?
② できるだけ納税したくないという心理
頑張って稼いだ利益を税金で持っていかれたくない。その気持ちは理解できますが、お金が出ていく節税は、将来の資金繰りを苦しくすることを忘れてはいけません。
現在の法人税は、以前よりも少ない約30%。つまり、100万円の利益があれば、70万円の現金を手元に残せたことになります。現金の有難みを感じる今なら、後悔につながる節税があったのではないでしょうか?
二度と同じ過ちを繰り返さない!そう考えても時が経てば忘れるのが、人間です。ですから、精神論に頼らず、『仕組み』として取り入れなければいけません。
そこで最も簡単で効果が期待できる仕組みは、最低でも二年先の経営を数字で予測することです。
納税に拒否感が生まれる最大の原因は、長期的な視点を持つ余裕がないことだと考えます。
一人何役も担う経営者は毎日を忙しく過ごし、今月、来月といった近いスケジュールのことで頭も気持ちもいっぱいです。そのため利益が出た際にも、その延長で短期的な視点で節税に走ってしまうのです。
しかし、事業は今年だけでなく、その先まで続くわけですから、この経営判断が未来にどのような影響を及ぼすのか?を大局観を持って考えなくてはなりません。
長期的な視点を持てる仕組みを持てれば、甘い誘惑に勝ちやすくなります。 もっといえば、事業存続に最低限必要な利益を先に決めておけば、それを超えた利益は自由に節税しても良いわけですから、後ろめたい気持ちを持たず、安心してお金を使えます。
仕組みを取り入れて簡単にお金を貯める
人間は誘惑に弱い生き物として考える
私たちは、コロナの一件で残酷なまでの現実を突きつけられました。しかし、ここから一つでも多くのことを学ばなければ、不幸な出来事として終わってしまいます。
経営における生命線のお金についても、改めて、向き合い方を再構築する良い機会だと考えてください。
先に紹介した、目先の利益に囚われない仕組みは非常に効果的であり、納税が発生するだけの利益を稼ぐ必要性をDNAレベルで理解できれば、経営効率が格段に上がることが期待できます。
人間は誘惑に弱く、自分に甘い生き物です。しかし、それを防ぐための仕組みを取り入れることができれば、想像よりも簡単に自制でき、強い会社へと近づけることが十分に可能なのです。
二次感染、三次感染と輪を広げるわけにはいきませんが、それでもこの苦境を乗り越え、5年、10年先も当たり前のように会社・お店を存続させるために、今だからこそ行うべき事があるのではないでしょうか?
高くジャンプするためには、思いっきり低くかがむ必要があるように。